ソフトバンク ウィルコム完全子会社化の理由

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ソフトバンク、ウィルコム完全子会社化の理由を見ると業績好調により、会社更生手続きが順調に進んだようですね。ソフトバンクは株主総会でウィルコムとの無料通話に言及しており、今後に注目ですね。

(1)ソフトバンク利益と株主総会

ソフトバンクは2013年決算の利益が過去最高となっており、携帯電話事業などの通信事業、ヤフーなどグループ会社の業績が好調であることが理由ですね。

ソフトバンクは、グループの携帯電話会社の連携を深めていくことも株主総会で約束していましたが、ウィルコム完全子会社化により無料通話などのサービスが拡大しそうですね。

(2)ウィルコムの会社更生手続き終結と完全子会社

ソフトバンク、ウィルコム完全子会社化について、2013年7月1日の産経新聞が、ウィルコムが約3年半で会社更生終了 ソフトバンク100%子会社として再出発を報じているので見てみましょう。
ソフトバンクは1日、再建中のウィルコムが東京地方裁判所から会社更生手続終結の決定を受けたと発表した。これを受けて、ウィルコムは同日付でソフトバンクの連結対象の100%子会社になった。
ソフトバンクは、会社更生法により倒産していたウィルコムのスポンサーとなっていましたが、会社更生手続きが終了したようですね。会社更生法による企業再建は、大企業が営業継続しながら債権カットにより再生を目指すことになります

会社更生法を申請しても、再建失敗で倒産することはありますが、ウィルコムはPHSの契約者数増加により収入が想定よりも大きく増加しており、再建が迅速に進んでいます。

(3)倒産による債権放棄

事実上、わが国唯一のPHS事業者であるウィルコムは経営破たんした2010年2月に東京地方裁判所に対して会社更生手続開始の申立を行った。その後、ソフトバンク傘下で更生債権と更生担保権の総額約410億円の弁済を開始
ウィルコムは負債総額が2060億円でしたが、会社更生法により、金融機関などの債権放棄が行われたうえで、スポンサーと共同で企業再生が行われています。
  • ウィルコム倒産時 負債総額2060億円
  • ウィルコム更生債権と更生担保権の総額約410億円の弁済
ソフトバンクはウィルコムのスポンサーとなっていますが、会社更生手続きにより債権放棄が行われており、債務の80%が債権カットされています。

ウィルコムの債権カット率は、一見すると大きく見えますが、PHSの契約者数が減少を続けており企業再生が困難であると見られていたということですね。

(4)更正債権の一括返済

ウィルコムはソフトバンクからの資金調達も得て、約271億円の一括繰上弁済を実施、更生手続きを終えた。
ソフトバンクは、ウィルコムに更正債権の一括返済を実施させており、会社更生手続きが終了しています。会社更生手続きが行われると、管財人が会社経営の監督を行いますので、更正債権の一括返済により、完全子会社化を行い意思決定の迅速化を考えた可能性が高いですね。

(5)ウィルコムの経営状況

ウィルコムの累計契約数は2010年12月末時点では378万件に落ち込んでいたが、2013年5月末時点では545万件へと盛り返している。また2010年度(3月期)には赤字だった営業利益、最終利益とも、その後は2年連続で黒字転換している。昨年度の最終利益は77億円。
ウィルコムの経営状況は、ソフトバンクの営業戦略により契約者数が激増しており、財務状況も大きく改善していますね。
  • 2010年12月末時点ウィルコムの累計契約数 378万件
  • 2013年5月末時点ウィルコムの累計契約数 545万件
ウィルコムはPHSですが、携帯電話事業者も初期の通信インフラ整備にコストが最も必要となります。ソフトバンク傘下で、契約者数増加に成功していますので業績が大きく改善していますね。

(6)ウィルコムの業績推移と財務改善

ソフトバンクのホームページで、ソフトバンク2013年7月1日の株式会社ウィルコムの会社更生手続終結に伴う連結子会社化に関するお知らせを発表しているので見てみましょう。
  1. 純資産 45,872百万円 48,403百万円 56,113百万円
  2. 総資産 127,060百万円 138,561百万円 149,084百万円
  3. 1株当たり純資産 152,908円 161,345円 187,043円
  4. 売上高 47,948百万円 165,059百万円 169,323百万円
  5. 営業利益 △1,790百万円 2,488百万円 6,372百万円
  6. 経常利益 △1,471百万円 3,823百万円 6,750百万円
  7. 当期純利益 △2,723百万円 2,531百万円 7,709百万円
  8. 1株当たり当期純利益 △9,079円 8,437円 25,697円
  9. 2011年3月期の経営成績は、更生計画認可決定後の2010年12月から2011年3月までの4カ月間の変則決算
ウィルコムは、2011年3月期から2013年3月期にかけて、業績が大きく改善していることが分かると思います。通信事業は初期インフラにコストが必要であり固定費が大きいため、顧客が増加すると利益が大きく増加します。

ソフトバンク ヤフーにイーアクセス売却理由をまとめましたが、ヤフーにウィルコムの売却を発表していますね。ソフトバンクは、ヤフーを上場子会社としていますので、ウィルコム売却によって資金調達と益出しに成功しています。

(7)株主総会と携帯電話事業の連携

今後はソフトバンクグループの携帯通信事業の1社として、グループ他社との連携を強めていく
ソフトバンクは、ウィルコム買収により携帯電話事業の電波改善にも繋げる事ができますが、利益面でもウィルコムが貢献していますね。
  1. ウィルコムが所有する電波塔の立地を活用
  2. ソフトバンクの子会社として、ウィルコムが収益に貢献
  3. ソフトバンクグループと連携することで、無料通話など利便性の拡大
ソフトバンク株主総会2013内容を見ると、ソフトバンクモバイルとイー・アクセス、ウィルコムの無料通話を約束していますので、完全子会社化により、サービスがよりよくなりそうですね。スーパーセルとブライトスター ソフトバンク買収の理由を見ると、携帯電話端末の購入で規模の利益を狙っていることが分かります。ソフトバンクグループで、携帯電話会社から端末の一括調達を行えば、大量購買で端末価格の値下がりに繋がりそうですね。
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