スーパーセルとブライトスター ソフトバンク買収の理由

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スーパーセルとブライトスターの買収をソフトバンクが発表しています。ソフトバンクの買収理由を考えると、スマホの調達数量拡大とガンホーの世界展開など様々な金融戦略が分かりますね。


(1)ソフトバンクの企業買収と戦略

ソフトバンクは多数の企業を買収してきた巨大企業グループですが、株式売却したものを含めると、テレビ局や銀行証券など金融関連など多岐にわたります。ソフトバンクのグループ企業で、時価総額上昇に大きく貢献しているのは、通信とITサービス関連分野と言えます。
  1. 携帯電話 ソフトバンクモバイル、スプリント、イーアクセス、ウィルコム
  2. ITサービス ヤフー、アリババ
  3. 携帯ゲーム ガンホー
ソフトバンクの成長分野を非常に簡単にまとめると、代表企業は上記のようになると思います。ソフトバンクが新たに企業買収を行うと2013年10月16日の日経新聞が報じていますが、ソフトバンクが有力な海外企業を保有していることを考えると事業戦略が分かりやすいですね。

(2)ソフトバンクが海外企業買収を発表

  • スーパーセル スマホ向けゲーム販売で世界首位
  • ブライトスター 携帯電話の卸売販売で世界大手
ソフトバンクがスーパーセルとブライトスターの海外大手2社買収を発表しており、2013年10月16日の株価は寄付きが上昇しているようですね。スーパーセルとブライトスターは会社設立や事業で大きく異なりますが、携帯電話市場の企業であり海外企業であることが共通しています。

ソフトバンク決算2014年営業利益1兆円をまとめましたが、ソフトバンクの売上高拡大に大きく貢献しています。ソフトバンクの子会社は、ガンホーとスーパーセルがあることで、高い成長率のアプリ事業をグループに取り込むことに成功していますね。

スーパーセルは有力なゲーム企業ですので、ソフトバンクグループで積極的な宣伝を行ったり、ガンホーのパズドラを世界展開するなど世界的なシナジーが見込めます。
ソフトバンクはブライトスターの買収により携帯電話端末の調達数で、ソフトバンクモバイル・スプリント・スーパーセルなどの共同調達で大量の端末購入が可能になります。

(3)スーパーセルの会社概要と買収内容

  1. 2010年設立
  2. フィンランドのヘルシンキが本社 フィンランドの代表企業はノキア
  3. クラッシュ・オブ・クランなどが人気作品
  4. 2012年12月期売上高 7835万ユーロ 約100億円
  5. 2013年2月から8月 アップルの基本ソフト向けゲーム市場で世界首位の売上高
  6. 2013年11月上旬までにベンチャーキャピタルから株式の過半を取得
  7. 特別目的会社を通じて約1500億円で買収 ソフトバンクが8割出資 ガンホーが2割出資
  8. ソフトバンクグループで取締役5名中3名が就任
スーパーセルの売上高と買収価格を見ると、ブライトスターよりも買収価格が高く設定されていますね。ソフトバンクのスーパーセル買収方式を見ると、ガンホーが出資する特別目的会社が買収に関与しており、目的について簡単に分析してみましょう。
  • ガンホーの株価上昇 2013年10月16日寄り付きからストップ高で株価急騰
  • パズドラなどガンホーのアプリ世界展開と同時に、スーパーセルのアプリを国内販売可能
  • ソフトバンク本体の投資余力を保つ
スマホのゲームは、すでに販売したりダウンロードされている無料ソフトから別のゲームソフトを宣伝可能です。ソフトバンクのスーパーセル買収で、ガンホーの株価がストップ高となっており、ガンホーの世界展開に見通しがついたことで業績に対しても大きな成長期待が生まれていることが分かりますね。

ソフトバンクのプレスリリースを見ると、スーパーセル買収後に取締役5人の内訳を見てみましょう。ソフトバンクの孫正義社長とガンホーの孫泰蔵会長、ソフトバンク財務部投資企画グループ グループマネージャー仁木 勝雅氏が就任しますので過半数が就任していますね。

(4)ブライトスターの会社概要と買収内容

  1. 1997年設立
  2. アメリカのフロリダ州マイアミが本社
  3. スマホをメーカーから調達して通信会社に卸売りする世界大手
  4. 年間8000万台の端末を約120カ国に約200の通信会社に販売
  5. 2012年売上高 63億ドル 約6300億円(1ドル100円で換算)
  6. 2013年内にも買収を完了
  7. ソフトバンクが投資ファンドから株式の5割を取得後、最終的に7割まで増やす模様
  8. ソフトバンクの買収価格は1000億円強で買収
ブライトスターの特徴はスマホ端末の卸売会社として、大量に調達したスマホを世界中の通信会社に販売していることですね。ブライトスターの販売先は、新興国の小規模通信会社が中心のようですが、大量調達で価格引下げメリットと同時に、ソフトバンクの新たな通信企業買収に繋がるのか注目ですね。
  • ブランド力 アップルやサムスンの市場シェアが高い
  • 調達力や販売力 ソフトバンクグループで対抗
企業が競争要因として、様々なものが指摘されていますが、スマホ市場で価格に影響を与える要因として上記のものがあると思います。ソフトバンクは、ソフトバンクモバイルとスプリントに加えて、ブライトスターと共同調達を行うことができれば、端末の仕入価格の値引きを見込めそうですね。

(5)ソフトバンクの金融戦略と資金繰り

  1. ソフトバンクグループで年間1兆円の営業利益
  2. 携帯電話事業やヤフーなどの子会社から豊富なキャッシュフロー
  3. スプリント買収資金を中期の低金利で借換えに成功
ソフトバンクの金融戦略は、資産流動化や割賦販売の債権流動化により、銀行融資や社債の返済や借り換えを続けてきたことでした。ソフトバンクは買収の成功により、キャッシュフローの黒字は十分になっています。

ソフトバンク支払利息激増 買収で3000億円を考えると、全上場企業の支払利息のうち1割以上をソフトバンクが占めていることが分かります。ソフトバンクは買収を積極的に行っていますが、依然として手元資金が豊富ですので、現金による買収も可能となっています。

ソフトバンク協調融資が最大の理由をまとめましたが、金額や期間を考えると、銀行融資の条件は倒産危機のときと比較するとかなりよくなっていますね。スーパーセルとブライトスターをソフトバンクが買収しましたが、買収方法を見ると投資余力がありますので、買収戦略や設備投資の動向に注目ですね。
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