(1)ソフトバンク スプリント買収のファイナンス
ソフトバンクのスプリント買収の金融戦略について見ると、銀行融資、為替予約、個人向け社債と外貨建て社債の組み合わせであることが分かります。(2)ソフトバンク買収失敗によるドル資金
ソフトバンクは為替予約をすでに行っているため、買収失敗の際は巨額のドル資金が手元に残りますが為替予約を終えており、円安ドル高により巨額の差益が出る可能性があります。銀行借入の資金使途が、スプリントの買収資金であれば買収失敗により、巨額のドル資金を円に換えることで銀行融資を行う必要がでる可能性があります。
(3)デュッシュネットワークが255億ドルで買収提案
スプリント買収、ディッシュがソフトバンクに対抗したことについて、2013年4月15日のロイター通信が米衛星放送ディッシュ、スプリントに255億ドルで買収提案を報じているので見てみましょう。米衛星放送サービス会社ディッシュ・ネットワーク<DISH.O>は、米携帯電話会社スプリント・ネクステル<S.N>に255億ドルでの買収を提案した。買収は現金と株式の組み合わせで行う。デュッシュネットワークが、スプリントの対抗買収を提案しており、現金と株式交換によるものを提案しているようですね。
(4)ディッシュとソフトバンクのスプリント買収案を比較
ディッシュは対抗案について、ソフトバンクの買収案をおよそ13%上回るとしている。スプリント株主はまた、合併後の新会社の32%を所有する。スプリントは昨年10月、70%株式を200億ドルで売却することでソフトバンクと合意していた。ディッシュとソフトバンクのスプリント買収案を比較してみましょう。
- ディッシュ 255億ドル(現金173億ドル 82億ドル相当の株式) 68%の株式
- ソフトバンク 200億ドル 70%の株式
(5)ディッシュは携帯電話事業を保有しておらず
ディッシュはスプリント取締役会への書簡で、110億ドルのコスト削減効果に加え、全米にビデオ、ブロードバンド、音声サービスを提供できる事業体になれるとしてシナジー効果を強調し、ソフトバンクの買収案よりも有利と主張した。ディッシュはソフトバンクと異なり、携帯電話事業を保有しておらず、通信設備の投資や機種の調達コスト削減は不可能でしょう。
(6)手元資金とデッドファイナンシングで調達
買収資金については、手元資金およびデットファイナンシングを通じて82億ドルを手当てする方針とし、同案件のアドバイザーを務めるバークレイズが資金確保に強い自信を見せていると説明している。デュッシュの買収提案について、2013年4月16日のブルームバーグが、現金173億ドルと82億ドル相当の株式と発表しています。ソフトバンクはスプリント買収の条件を引き上げなければ、スプリント買収は厳しいかもしれないですね。 スポンサードリンク
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