ソフトバンク社債外貨建て発行

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ソフトバンクが社債を、ドルの外貨建てで機関投資家に発行するようですね。ソフトバンクは、円建ての銀行借入を行っていますが為替予約を行っており、ドル建ての資金は銀行借入返済に回すことも可能ですね。

(1)社債の発行と金融戦略

ソフトバンクの金融戦略を見ると、社債の発行や銀行借入など資金調達手段が多岐にわたることが分かります。

ソフトバンクは借入により急成長していますが、携帯電話会社のドコモと比較すると、財務体質の違いが社債金利にでていますね。

(2)米ドル建てとユーロ建ての社債発行

ソフトバンクが社債を外貨建てで発行することを、2013年4月9日の日経新聞11面が報じているので見てみましょう。
ソフトバンクは8日、米ドル建てとユーロ建てで総額20億ドル(約1940億円)の社債を発行すると発表した。今年半ばに予定している米携帯電話3位のスプリント・ネクステルの買収資金などに充てる。これまで、つなぎ融資や円建て社債でまかなうとしてきたが、調達手段を多様化する。一部をドル建て資金に置き換えることで為替変動リスクの軽減にもつながりそうだ。
ソフトバンクが海外で、スプリント買収資金の一部を調達多様化のために、外貨建て社債を発行すると報道されています。
  • 米ドル建てとユーロ建てで総額20億ドル(約1940億円)の社債を発行
  • 米携帯電話3位のスプリント・ネクステルの買収資金など
  • 調達手段を多様化、為替変動リスクの軽減
ソフトバンクは、社債発行により資金調達の多様化が目的のようですね。スプリントは、アメリカの携帯電話会社ですので、米ドルが不可欠になります。

ソフトバンクは、ドル建ての資金を確保することで、円建て資金は円安ドル高傾向ですので為替変動リスクを避ける効果は大きいですね。

(3)償還年数が長く、資金繰が安定化

利率や起債時期などは未定。償還期限が2020年の7年物を予定している。米、欧、アジアの投資家に販売し、調達資金の大半をスプリントの買収資金に、残りを借入金の返済に充てる。
ソフトバンクは銀行借入と比較して、償還期限が長い社債で資金調達を行うことにより資金繰りの安定を目的としていますね。シャープ格付格下げの理由 短期有担保借入の増加であることを考えると、償還年数が7年の社債は、格付けによい影響があるかもしれないですね。

長期の社債は、利率が高くなるデメリットがありますが、世界的な金融緩和の影響で金利は低下しており、メリットが大きいと判断したのでしょう。

(4)約6000億円を社債で調達により投資の自由度が向上

ソフトバンクは約201億ドルでスプリントを買収。3月に事業会社としては過去最大となる個人投資家向け社債などで3700億円を発行した。今回分をあわせて総額6000億円近くを社債でまかなう計算になる。
ソフトバンクは社債で資金調達を行う理由は、銀行借入と比較すると、資金使途の自由度が高いことをあげることができます。

ソフトバンクは、スプリント買収資金について為替予約をすでに行っており、銀行融資を前倒しで返済することで、経営の自由度が高まります。
ソフトバンクはスプリント買収資金は、円建ての銀行借入でしたが為替予約を行っており、調達したドル資金をそのまま返済に回すことができます

民主党政権の解散発表から続いた円安傾向を考えると、スプリント買収の円安ドル高対策が順調であると言えますね。

(5)返済能力の高い子会社が債務保証か

外貨建て社債は子会社のソフトバンクモバイルとソフトバンクテレコムが元利払いを保証する仕組み。ソフトバンクは現在、日本格付研究所(JCR)からシングルA格、米スタンダード・アンド・プアーズとムーディーズからトリプルB格の格付けを得ている。社債発行にあわせ、海外2社の格付けを新たに取得する予定という。
スプリントは現在、赤字であり格付けソフトバンクよりも低い状態が続いていますので、スプリントが資金調達を行うよりも、金利が低く有利な条件で資金調達ができそうですね。

(6)ドル建ての資金調達は金利が高い

米ドル建て社債市場では米連邦準備理事会(FRB)の金融緩和の影響で金利が歴史的に低い水準で推移している。年限7年のドル建て社債の市場での利回りはシングルA格で2%強、トリプルB格で3%強程度の銘柄が多い
ソフトバンクがドル建てで資金調達を金利が高いですが、それを補うメリットはあります。ソフトバンクの主な収益は、携帯電話市場とヤフーの利益ですが、どちらも日本市場のため円建てです。

ソフトバンクが、円建てで資金調達をすると、円安ドル高による為替変動リスクが発生しますが、ドル建てで調達すればリスクはなくなります。ドル円の為替レートは、長期で考えると数円変動しますので、ドル建ての調達金利が高くても、メリットは十分にありそうですね。

ソフトバンク スプリント買収2013年6月株主総会で承認されましたが、ドル建ての買収価格引き上げは、外貨建て社債の発行が円滑に進んだため行えたのではないでしょうか。
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