ソフトバンクとドコモの違い
ソフトバンクが海外投資を行えた理由について、ドコモ海外買収とソフトバンク大株主の違い(10)でまとめました。ソフトバンクとドコモは上場企業ですが、ドコモはNTT持ち株会社の子会社であり、NTT持ち株会社とドコモの社長は違う人です。ソフトバンクとソフトバンクモバイルは、孫正義社長が社長を兼任しており筆頭株主です。ソフトバンクとドコモの投資戦略の違いは、社長の考え方の違いだけでなく大株主の違いも大きいのではないでしょうか。
ドコモは携帯電話事業以外に投資
顧客基盤を生かすことを意識
ソフトバンクの投資戦略に対して、ドコモの投資戦略の特徴を2012年11月9日の日経新聞が報じているので見てみましょう。国内6千万人の顧客基盤をもとにどう稼ぐか。有機野菜通販のらでぃっしゅぼーやの買収、角川書店と共同出資のアニメ配信会社の設立、音楽CD販売のタワーレコードの子会社化。ドコモはサービス分野に相次ぎ投資してきた。ドコモの投資先について見ると、通信事業と関係のないサービス分野の事業が並んでいることが分かります。ドコモは移動体通信でシェア首位の企業ですが、通信事業と関係のない分野が並んでいるように思えます。
本業と異なる分野投資
- 買収子会社化 有機野菜通販のらでぃっしゅぼーや
- 買収子会社化 音楽CD販売のタワーレコードの子会社化
- 共同出資会社の設立 角川書店と共同出資のアニメ配信会社
ドコモの買収先を見ると、通信事業とどう結びついていくのか、判断が難しいのではないでしょうか。
ドコモの配信事業
「あなた方の事業を邪魔するつもりはありません」。加藤はソーシャルゲーム大手、DeNA社長の守安功(39)に電話した。ドコモはゲーム配信への進出も決断。モバイル端末を通じて多様なサービスを提供し稼ぐモデルの構築を急ぐ。ドコモは配信事業に力を入れるようですが、ソフトバンクがiPhoneでスマホの販売を加速させた事をきっかけに、iモードのように通信事業者がサービスの利益を囲い込む仕組みは難しいのではないでしょうか。
グリーやモバゲーがゲーム配信で高シェアですが、ドコモがどのようにしてシェアを高めていくのか、管理人を含めて理解できない方は多いのではないでしょうか。
ソフトバンクの通話品質の追い上げ
ドコモの優位性は「通信品質の高さ」(ドコモ幹部)。だが、ソフトバンクも通信網の充実で追い上げを図る。ソフトバンクの電波は繋がらないという指摘が言われることがあり、ドコモの信頼性に繋がっていました。ドコモの通話品質は、相次ぐトラブルにより信頼性が低下しているうえに、ソフトバンクは通信網整備に力を入れています。
ソフトバンク買収先との連携で電波品質改善
「スプリントとの共同調達でコストが下がり、国内通信網の整備も進む」。ソフトバンク社長の孫正義(55)は強調する。「買収より、つながりにくい通信網の改善を優先すべきだ」との声が顧客に広がっているからだ。
ソフトバンクは12~13年度の設備投資を約2割上積みして基地局の増設を急ぐ。イー・アクセスとの電波の相互利用も通信品質の向上に効果を発揮する可能性が高い。ソフトバンクは買収先企業の株式売却について見ると、イーアクセス株売却先の名前とソフトバンクの目的は海外通信機器メーカーとの提携である事が分かります。
- 買収先 スプリントと共同調達で規模を生かす
- 買収先 イー・アクセスと電波を相互利用
- 設備投資を上積みして基地局を増設
ドコモはどうしていくのか
海外戦略に足かせをはめられたドコモ。ソフトバンクの通信網が充実してくればアドバンテージはますます狭まる。ソフトバンクは海外買収の資金調達と平行して、ソフトバンク社債発行が最大規模の理由を見ると低い金利で過去最大規模の資金調達を行おうとしています。
ソフトバンクの買収戦略は賛否両論がありますが、ドコモの投資戦略と成長はどんな見通しを描いているのか不思議に思っている方もいるのではないでしょうか。ソフトバンク スプリント買収アメリカの評判(12)に続く。 スポンサードリンク
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