エネルギー輸入構想
ソフトバンクのエネルギー輸入構想について、ソフトバンク電力輸入とロシアで見ていきましたが、2013年2月24日の日経新聞7面についても見てみましょう。ソフトバンクなど日ロ企業連合が目指す電力輸入の構想が動き出せば、課題となった電力調達先の多様化と、エネルギー安全保障のバランス感覚が日本の官民に問われる。国内に閉じた電力システム改革の議論にも一石を投じそうだ。ソフトバンクのエネルギー輸入構想で問われる点について簡単に見てみましょう。
- 電力調達先の多様化(国内地域独占と海外他社参入)
- エネルギー安全保障(平時と非常事態)
- 電力システム改革(地域独占とオープン化)
電力会社への信頼は失墜していますが、電力は国民全体や国の競争力に直結する問題ですので、まずは電力価格などの見積もりを見た上で、議論が必要になるのではないでしょうか。
ドイツとフランス電力輸出入
国境をまたぐ電力の輸出入は、地続きの欧州ではすでに普通のことである。ドイツは出力が不安定な再生可能エネルギーの利用拡大にカジを切っているが、フランスの原子力発電所で作った電力をいつでも調達できる事が理由の1つだ。ソフトバンクの、ロシアからのエネルギー輸入構想で思い浮かぶのはヨーロッパの事例ではないでしょうか
- ドイツが再生可能エネルギーの利用拡大 送電網で販売可能
- フランスが原発の電力を供給可能 送電網で販売可能
ソフトバンクがロシアと送電網を接続した場合は、極東ロシアは産業が発展していないので同様の事態は考えにくいですね。
電力輸入と資源輸入の比較
一方、島国である日本が周辺国からの電力輸入に動くには、遠距離送電のコストといった採算性などのハードルがある。なかでも最大の問題は国民生活や企業活動の「血液」ともいえる電力を海外に依存することへの官民の不安だろう。ソフトバンクがロシアからのエネルギー輸入を行うのであれば、以下の比較が必要になります。
- 天然資源の輸送コストと日本国内の発電コスト
- 電力の長距離送電コスト
日本の電力会社は、天然ガスの安価な調達に失敗していますので、水力発電は天然資源価格値上がりの影響を受け難いメリットはありますね。
エネルギーの政治リスク
電力と同じく重要なエネルギー源であるガスでロシアは2009年、価格交渉が難航したためにウクライナへの供給を一時止め、西欧諸国まで供給不足に見舞われた。送電網が海外につながれば、似たような心配は出てくる。エネルギー安全保障を考えるとき政治リスクは一段と増す。ソフトバンクのロシアからエネルギー輸入構想で、課題となるのは政治リスクの解決でしょう。ロシアは、ウクライナへの供給を減らしましたが、ウクライナは西欧に輸送する天然ガスを減らす事で対応しました。
- ロシア→ウクライナ(仮定)100→80
- ウクライナ国内消費(仮定)20→20 ウクライナ→西欧諸国(仮定)80→60
- 西欧諸国(仮定)80→60
韓国との送電網接続は動きなし
実際、日韓の送電網の接続には「一定のボリュームさえ確保できれば、ペイするだろう」(九州電力首脳)という見方もあったが、実現への具体的な動きはない。ソフトバンクのロシアとのエネルギー輸入構想に対して、他社で韓国との送電網接続について検討していたことがあるようですね。
エネルギーの政治リスクを考えると、竹島問題や反日運動を考えると、エネルギー安全保障で日本の命運を握られるのは、得策ではないですね。
電力会社の企業努力は期待できず
もう一つの問題は電力業界の「内向き体質」だ。福島第1原子力発電所の事故をきっかけに電力システム改革の議論が進んでいるが、もっぱら発送電分離など国内の競争政策に関心が向かっている。
電力会社の多くは料金引き上げへの批判に火がついてから安価な「シェールガス」の調達にやっと重い腰を上げた。電力改革の実を上げるには世界のエネルギー力学の変化を生かす発想が欠かせなくなっている。ソフトバンクがロシアからエネルギー輸入構想がありますが、エネルギー安全保障を考えると、バックアップの電力設備は欠かせないのではないでしょうか。
- 日本の電力会社は総括原価方式
- 電気代=電力の原価×利益を上乗せした割合
0 件のコメント:
コメントを投稿