(1)連結営業利益は7000億円が目標
ソフトバンクの業績目標やスプリント買収に伴う為替予約について、2013年02月01日の東洋経済が報じているので見てみましょう。海外を含めた連結営業利益は、米国の携帯電話大手スプリント・ネクステルの買収に関連する一時的な費用を含めて7000億円程度が最低ラインになるとした。ソフトバンク株価と業績は利益が過去最高ですが、来年度の連結営業利益も高い水準を維持する可能性が高い事を表明しています。
(2)海外事業を含めて最高益を更新予想
これはスプリントが完全子会社化を発表している、高速通信のWiMAX事業者「クリヤワイヤ」(現在、他社からも買収の提案を受けている)の業績も加味した数値だという。さらに、14年度には海外を含めても最高益を更新できるとしている。ソフトバンクは、過去最高益の更新を現実的と考えているようですね。ソフトバンクの業績を考えるときに、為替レートの円安でスプリントの買収資金が膨らめば、のれん代の償却が膨らみ、利益が減少すると考える人もいるのではないでしょうか。
(3)為替予約済みのスプリント買収資金
昨年に発表したスプリント・ネクステルの買収資金については、調達はすでに完了しており、全額を為替予約済み。ソフトバンクのスプリント買収発表後、為替相場の円高是正がすすみ、ドル円の為替レートは1ドル10円以上円安になりました。スプリント買収資金は、1兆7000億円と言われていますので、為替レートの変動は買収資金を大きく膨らませることになります。
ソフトバンクのスプリント買収の影響を受けて、為替レートが変動したと示唆する報道が、ウォールストリートジャーナルでありました。
この真偽は不明ですが、ソフトバンクがこのときにドル買いを行っていたのでしょうか。ただし、この報道は2013年1月17日なのでソフトバンクのスプリント買収発表から少し時間がたっています。
(4)為替予約が重要な理由
為替予約が重要な理由は、海外企業の買収に必要なドル資金を計算した上で、借入などの資金調達を行いますが、円安になると必要な円建て資金が膨らむ可能性があるからです。孫正義社長が、銀行と早い段階から打ち合わせをしていた事を考えると、融資実行後、早い段階で為替予約を銀行に話していた可能性は高そうですね。
為替予約の決断は、ソフトバンクの買収だけでなく、輸出入の企業の手腕と考え方が問われる一つでしょうね。
極端な為替変動を嫌うのであれば、為替予約を行うのが一つの手段ですが、民主党政権では為替相場が円高に張り付いて、どうしようもない為替レートでしたね。
(5)ソフトバンクが会計基準を変更
国際会計基準の適用
スプリント経営陣とは毎週火曜日のテレビ会議に加え、2週間に1度は日本や米国で両首脳陣が直接ミーティングを重ねているという。
また、買収に伴い、14年3月期の第1四半期から国際会計基準(IFRS)を適用することも発表した。ソフトバンクは、スプリント買収により国際会計基準の適用を発表しています。ソフトバンクはスプリント買収で海外投資家や海外企業の買収を、ますます意識しているということでしょうか。
年金債務で財務悪化の企業も
国際会計基準の適用で、シャープの年金債務は懸念される項目の一つですが、パナソニックは年金債務の引当てがほぼ終わっています。ソフトバンクは、両社よりも従業員の平均年齢が若いのですし、利益率も高いので会計処理はそれほど問題にならないのではないでしょうか。ソフトバンク為替レート円安の影響は、スプリントの買収に限定してみると為替予約済であり、為替相場変動の影響はないようですね。ソフトバンクのスプリント買収為替ヘッジは円安で2000億円節約効果があったようですね。 スポンサードリンク
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