(1)銀行融資を決断した理由
前回、孫正義社長の5兆円買収とみずほ銀行について、まとめました。ソフトバンクは、スプリントなど買収を銀行融資で行う事を決断しました。ソフトバンクの資金調達を考えると、1兆円を超える資金を株式の増資で行うと、株主価値が希薄化する事を考えたのでしょう。ソフトバンクが社債で資金を調達するとすれば、ここまで早い資金調達も不可能だったのではないでしょうか。
- 増資で株式を発行すると1株価値が希薄化
- 社債で資金調達では時間がかかるため、間に合わない
(2)融資のお金1兆5000億円を1週間で資金調達
むしろ孫の心配は「金融機関がうちのスピードについてこられるか」。それは杞憂(きゆう)に終わる。正式に融資要請してからわずか1週間、みずほコーポ銀などメガ3行とドイ ツ銀行は総額1兆5000億円規模の融資を決めた。春からの準備が土壇場で生きた。孫正義社長は、ソフトバンクが海外企業の買収を検討していることをみずほ銀行とみずほコーポレート銀行の頭取に伝えていた事を前回、紹介しました。ソフトバンクに融資する銀行は以下の、4つの銀行です。
- みずほコーポレート銀行
- 三菱東京UFJ銀行
- 三井住友銀行
- ドイツ銀行
(3)低金利と為替レートの円高
1%を下回る長期金利と1ドル=80円前後の超円高。6年前の英ボーダフォン日本法人買収時よりも環境は恵まれている。それでも「これだけの買収を即決できる企業があるか」(金融関係者)。ソフトバンクがスプリントを買収する条件がよくなっていることについて、2点説明されています。
- 借入の金利が長期金利低下で安い
- 米ドルの為替レートが円高で、買収資金が減る
(4)証券会社の財務アドバイザーに3社
名だたる大手金融機関がソフトバンクに詣でる。みずほ証券、ドイツ証券などのほか米ゴールドマン・サックスも財務アドバイザーに加わった。証券会社の財務アドバイザーについて見てみましょう。
- みずほ証券
- ドイツ証券
- 米ゴールドマン・サックス
(5)ソフトバンクの手元資金は、1兆円以上のお金
ソフトバンクにはなお1兆円強の手元資金が残る。ソフトバンクは、1兆5000億円以上の買収を計画していますが、手元資金が潤沢な状態を維持することが分かります。ソフトバンクの主力の携帯電話事業は、現金の回収期間が短い事も考えると潤沢な資金であると言えます。
ソフトバンク協調融資が最大の理由を見ると、スプリント買収資金など2兆円の借金による調達を行いますので、手元資金は潤沢な状況が続きますね。
(6)JPモルガンチェースCEOと会合
10月28日夜、孫のもとを米JPモルガン・チェースCEOのジェイミー・ダイモン(56)が訪れた。同社はメトロPCSの財務アドバイザーを務める。ソフトバンク本社最上階で孫は得意の「五番街のマリーへ」を歌い 上げた。ダイモンはマイクこそ握らなかったが、孫にこう言い残した。「次に会うまでに練習しておく」ソフトバンクの孫正義社長とJPモルガンチェースCEOが、会合を行っていたようです。スプリント買収とソフトバンク孫正義社長の行動は慌しいですが、米5位のメトロ買収も含まれています。ソフトバンクは銀行融資とスプリント買収の資金調達目途をつけましたが、買収が成功するのか注目ではないでしょうか。ソフトバンクとKDDI社長の違い(8)に続く。 スポンサードリンク
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