(1)ソフトバンクのスプリント買収
ソフトバンクはスプリント買収を発表していますが、買収金額が1兆円を超えており、巨額のファイナンスを行っています。ソフトバンクのスプリント買収は、銀行借入が主体ですが、社債調達の成功により、銀行借入の限度額を削減しています。ソフトバンクは社債の起債成功により、借入金の減少を行っていますが、それ以外の理由について少し見ていきたいと思います。
(2)買収目的の銀行借入を減額
ソフトバンク スプリント買収借入減額の理由について、2013年3月12日のロイター通信が、ソフトバンク、スプリント買収の借入限度額を減額と報じているので見てみましょう。
ソフトバンクは12日、米スプリント・ネクステル買収のための借入金が1兆2849億円に減額すると発表した。取引銀行と1兆6500億円のブリッジローン契約の限度額を変更した。ソフトバンクはスプリント買収目的で借入を発表していましたが、減額を発表していますので理由について見てみましょう。
(3)3700億円の社債調達分を借入限度額に充当
ソフトバンクは3月1日に700億円の国内普通社債(SB)、12日には3000億円のSBを発行し、総額3700億円を調達した。この資金のうち発行諸費用を除いた3651億円を借入限度額に充当する。ソフトバンク社債発行が最大規模の理由は、スプリント・ネクステルの買収資金調達が目的の一つでした。ソフトバンクがスプリント買収資金を、銀行融資に頼る場合と比較すると、資金使途を自由に決めれる可能性があります。
(4)買収資金の銀行借入金限度額を変更の理由
買収資金の銀行借入金限度額を変更の理由について、管理人の推測ですが考えたいと思います。- 銀行借入は資金使途が重要
- 社債により、銀行借入によるスプリント買収資金の必要資金が減少
ソフトバンクがスプリント買収資金の借入減額を行った理由は、資金使途と異なる銀行借入のお金がでてきたことが理由の可能性があるかもしれないですね。
(5)スプリントの転換社債の引き受け
総額1兆2849億円の借入限度額のうち、スプリントが発行した転換社債の引き受けに必要な資金2500億円の借り入れはすでに実行されている。ソフトバンクのスプリント買収計画の中には、株式購入以外に、スプリントに資金供給する目的で転換社債の引き受けが含まれています。
(6)銀行借入を短期から長期に変更
ブリッジローンの枠は1兆0349億円残るが、今年12月の返済日までに、中長期の資金に借り換える予定。ソフトバンクがスプリント買収資金で調達しているブリッジローンは、つなぎ融資と言われる短期のものです。ソフトバンクとシャープの違いを見ると、資金調達面で金融の自由度にかなりの差があることが分かります。
短期借入金の割合が増えると、返済資金の現金確保を常に念頭に入れる必要があり、大胆な投資を行うことができません。ソフトバンクは、中長期への借り換えを予定していますが、シャープは予定がなく、金融面の自由度の差が分かりますね。
(7)スプリント買収承認と外貨建て社債の発行による銀行借入の返済
スプリント買収その後 米国がソフトバンク承認したと報じられていますが、買収発表から現在に至るまでに社債の起債成功により、銀行借入を減額しており、返済が早期に進むのか注目ですね。スプリントの買収でも、ソフトバンク社債外貨建て発行を発表しており、資金調達元の多様化と銀行借入の返済により経営の自由度を高めていますね。 スポンサードリンク
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