(1)ソフトバンクのiPhone販売
ソフトバンク ドコモ利益の比較(1)で、両社の営業利益に差がほとんどなくなっていることを見ましたが、ソフトバンクの利益が増加した理由について見てみましょう。この勢いを演出したのは、何といってもiPhoneだ。ソフトバンクが他社に先駆けて取扱いを始め、スマートフォン普及の礎を築いたといっても過言ではない。
あるデータによれば、現在でもソフトバンクは毎月の販売台数の8割近くをiPhoneが占め、成長の起爆剤になったといえる。ソフトバンクは、ボーダフォンジャパン買収時にブランド力や通信品質で不利な立場でしたが、iPhoneの販売により契約者数の繋ぎ止めや新規獲得に成功しています。
ソフトバンクの機種販売のほとんどが、iPhoneであることからも、重要性は現在も変わらないことが分かりますね。
(2)ナンバーポータビリティ制度でドコモから顧客獲得
iPhoneの破壊力の大きさは、新規契約だけでなく、他社の顧客をも奪うパワーとなって表れている。上手は、携帯電話の番号をそのままにして契約を他社に乗り換える制度(MNP)の推移である。ソフトバンクは、iPhoneの新機種が出るたびにドコモから利用者を奪い続け、この4年半で差し引き約209万人の利用者を得ているのだ。携帯電話のナンバーポータビリティ制度をご存知の方は多いと思いますが、現在の電話番号を保持したまま、携帯電話会社を替えることのできる制度です。
ソフトバンクは、ナンバーポータビリティ制度により顧客が流出することが予想されていましたが、iPhoneの販売やホワイトプランの成功により、顧客獲得に成功しています。
(3)通信事業者の収益構造と利益増加の理由
通信事業者の収益構造は至って簡単。通話・データ通信料の月額平均収入(単価)と契約数との掛け算で、この二つを増やすしかない。右図のように、ソフトバンクはiPhoneを武器に、新規契約数から解約数を引いた「純増数」を伸ばし、単価の下落も抑えた。携帯電話事業で、ソフトバンクが利益を伸ばした理由について見てみましょう。
- 携帯電話事業の売上=一人当たりの月額平均収入(単価)×契約数
(4)ドコモ減益と苦戦の理由
対するドコモは純増数も負け、単価減少の一途をたどり、猛烈にソフトバンクに追い上げられているのだ。とはいえ、ソフトバンクの躍進はiPhoneという端末があったからだけではない。ソフトバンクに対して、NTTドコモの業績が苦戦している理由について見てみましょう。
- 携帯電話事業の売上=一人当たりの月額平均収入(単価)×契約数
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