イーアクセス株をサムスンなど11社に売却か
ソフトバンクの、イーアクセス株売却先について2013年1月12日の日経新聞1面が報じているので見てみましょう。ソフトバンクは1日に完全子会社化したイー・アクセスの議決権株の約67%を月内に売却する方針を固めた。韓国サムスン電子など海外の通信機メーカー5社、オリックスなど国内リース6社と最終調整に入った。(日経新聞)ソフトバンクが、イーアクセス株の売却を決めたようです。ソフトバンクが売却したポイントについて見て見ましょう。ソフトバンクはイーモバイル買収完了を発表しましたが、早くも一部株式を売却するようです。
イーアクセスの独立性の維持と通信網整備の円滑化
海外の有力な基地局メーカーなどとの提携で、通信網整備を円滑に進める。同時に総務省の電波割り当て指針に基づきイー・アクセスの独立性を維持する狙いもある。ソフトバンクは買収を決めた米携帯電話3位のスプリント・ネクステルや日本での通信網の整備に各メーカーのノウハウを導入。通信速度やつながりやすさの向上で消費者の利便性を高める。(日経新聞)ソフトバンクがイーアクセス株を、通信機メーカーなどに売却する狙いについてまとめると以下のようになる。
- 通信網整備の円滑化
- スプリントや日本の通信網整備にノウハウを導入
- イーアクセスの独立性の維持
- 消費者の利便性向上
ソフトバンクからイーアクセス株の売却を受ける通信機器メーカーは、取引拡大の目算があるのではないでしょうか。
イーアクセスに出資する企業
イー・アクセスに出資する海外メーカーはサムスンのほか、スウェーデンのエリクソン、フィンランドのノキア・シーメンス・ネットワークスなど。イーアクセスに出資する予定の企業名は、海外メーカーが多い点に注目ではないでしょうか。ソフトバンクが株式売却を検討している企業について、次回、詳細をまとめたいと思います。
ソフトバンクの株式売却の方法
ソフトバンクはイー・アクセス株式を議決権のある株と無い株に分け、議決権株を11社に約6%ずつ売却する。売却総額は数十億円規模となる見通し。(日経新聞)
ソフトバンクのイー・アクセスへの議決権株ベースの出資比率は3分の1未満の約33%に下がる。筆頭株主にはとどまるが、重要事項の決定に対する拒否権を失う。 (日経新聞)ソフトバンクのイーアクセス株売却のポイントは議決権のある株と無い株に分けている点です。
- イーアクセス株を議決権のある株と無い株に分ける
- 議決権株を11社に約6%ずつ売却
- 売却総額は数十億円規模
- 議決権株ベースの出資比率は約33%に低下
議決権株売却の理由について見てみましょう。
株式売却はわずか(追記)
ただ、イー社の全ての株式のうち、議決権付きの株式はわずか。ソフトバンクが議決権付きの株式を売却しても、同社のイー社に対する出資比率は99%を超える見通しという。(朝日新聞)ソフトバンクが売却する議決権のある株式について、朝日新聞2013年1月12日が議決権株の割合が分かる報道を行っています。ソフトバンクは、イーアクセスの株式のほとんどの保有を継続するようです。
総務省の出資規制
2009年に総務省がソフトバンクとイー・アクセスに携帯電話の電波を割り当てた際、3分の1以上の出資関係にある企業は同時に申請できない指針を設けていた。電波取得後の出資に規制はないが、ソフトバンクは指針に沿う必要があると判断した。 (日経新聞)ソフトバンクは、総務省の指針に従う必要があると判断し、売却を決めています。
中国企業は含めず
米議会が中国製機器の通信網導入に懸念を示したため、ソフトバンクは米国事業への影響を考慮し、株の売却先に中国メーカーを含めない方針。 (日経新聞)ソフトバンクがスプリント買収の理由を孫正義社長が語っており、米国事業に力を入れる姿勢を示しています。今回、イーアクセス株の売却から中国メーカーを除外するようですが、株式を売却する中国以外の企業から、ソフトバンクグループは通信機器の購入を優先するのでしょうか。
ソフトバンクはイーアクセス株式の売却をサムスンなどに行うと発表していますが、売却するのは議決権株です。ソフトバンクは総務省の指針に従うと同時に、イーアクセスの企業価値向上の恩恵が得られるように、株式を議決権株と議決権のない株に分けたのではないでしょうか。
イーアクセス株売却先の名前とソフトバンクの目的については、こちらをご参照。 スポンサードリンク
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