(1)孫正義とソフトバンクの方針
孫正義社長は、スプリント再建の方法とソフトバンクiPhone(2)の成功が鍵になると考えているようです。iPhoneは、アップルがジョブズの元で発表した画期的な商品です。孫正義とジョブズは仲が良いことは有名ですが、ジョブズの永眠により孫正義社長の考え方が変わったと日本経済新聞2012年11月5日がまとめています。
(2)ソフトバンク有利負債の減少とジョブズの永眠
「スティーブの死が自分の何かを変えた」。孫は言う。
昨年10月、孫が敬愛し てやまないアップル創業者、スティーブ・ジョブズが56歳で死去した。ソフトバンクはiPhone販売が好調で業績を大きく改善。最大2兆円を超えていた純有利子負債を14年度にゼロにするシナリオを本気で目指していた。孫正義社長は、ボーダフォンジャパンを買収後、ホワイトプランやiPhone販売の成功によりソフトバンクの借入減少と規模拡大に成功しました。iPhoneはアップルが製造しており、その創業者がジョブズです。
(3)スプリント買収への影響
だが時価総額世界最大の帝国を作ったジョブズの死で孫は自問自答を始める。「そんな小さい夢でいいのか」。ジョブズの一周忌がスプリント買収のゴールとなったのは偶然ではない。アップルは、ジョブズが社長に復帰した後にiPodやiPhoneなど画期的な製品の発売により、経営不振から時価総額世界最大の企業に上り詰めました。孫正義社長にとって、ジョブズの永眠に何か感じるものがあったのかもしれないですね。
(4)孫正義社長のスプリント買収発表と評判
10月15日、都内で開いた記者会見。「NTTを買収することだってあり得る」。孫は買収劇をまとめあげた興奮からか、紅潮した表情で熱弁を振るった。だが、同じ頃、ミニブログのツイッターに国内の利用者が不安を書き込み始めた。「日本の通信網の改善が後回しになるのではないか」孫正義社長は、スプリント買収発表でNTTの名前をあげており、通信業界でトップを目標としていることが分かります。
ソフトバンクの利用者は通信環境を不安視していますが、ソフトバンクはスプリント買収と同時にイーモバイルの買収を検討しいます。効率的な電波利用による通信環境の改善と、電波利用の増加余地の両立を考えたのでしょう。
(5)スプリント買収と株価
ソフトバンクの株価はスプリント買収を機に最大で2割落ち込んだ。「成長余地を広げるには不可欠」「スプリントが経営の足を引っ張る」。証券アナリストの意見も二手に分かれる。ソフトバンクの株価は、買収直後に株価が下落しました。その後、アメリカでスプリント買収阻止でソフトバンク株安となっており、株価を見ても判断が別れているのではないでしょうか。
(6)政府が孫正義社長のスプリント買収に懸念
米国では国家安全保障上の懸念から、ソフトバンクが中国・華為技術(ファーウェイ)の通信機器を使っていることを問題視する声も出始めた。孫は一つ一つに具体的な解決策を示さなければならない。孫正義社長が、スプリント買収を決断しましたが、アメリカで懸念する声もあるようです。通信は国家インフラであることのうえに、中国企業の通信機器にスパイの部品が組み込まれていると指摘されています。
イーアクセス株売却先の名前とソフトバンクの目的を見ると、株式の売却先に中国企業がなく、スプリント買収前にアメリカを刺激しないようにしていることが分かります。ソフトバンク イーアクセス買収のライバル(4)に続く。 スポンサードリンク
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