スプリント買収の交渉
前回、ソフトバンク スプリント買収(1)で孫正義社長が、アップルのイベントからスプリント本社に向かっている事を、スプリント社長の画像と合わせて紹介しました。ソフトバンク孫正義社長のスプリント業績改善の方法と、ユニクロ柳井正社長の関係について、日本経済新聞2012年11月5日から見てみましょう。孫正義社長とスプリントCEOの関係
総額201億ドル(約1兆5700億円)の買収劇は1本の国際電話で幕を開けた。「スプリントを買いたい。会おう」。孫は久しぶ りのあいさつもそこそこにヘッセに切り出した。2人は10年前にヘッセがAT&T子会社CEOの地位を捨てて立ち上げたベンチャー企業にソフトバンクが出資した時からの仲だ。ソフトバンクとスプリントの関係を見ると、社長同士が知り合いである事が一つのポイントである事が分かります。ソフトバンク孫正義社長とスプリントCEOの関係が、ただの友人かビジネスのパートナーであったのかは、かなりの差があるでしょうね。
ソフトバンクの競合企業
5年連続の最終赤字に苦しむスプリントの身売り話は業界内では公然の秘密。メキシコのアメリカ・モビルや韓国SKテレコムも食指を動かしていた。しかしヘッセは旧知の孫を選んだ。ソフトバンクのスプリント買収の競合企業として、メキシコや韓国の企業の名前があがっています。スプリント買収に競り勝った一因として、孫正義社長の人脈が効果があった可能性がありそうですね。
ビジネスをお互いに経験した人間であるほうが、金額や条件、構想などのコミュニケーションが円滑に進んだ可能性が考えられるからです。
孫正義とスプリンオ再建の構想
スプリント業績悪化の理由はiPhoneの販売
「我々が手を貸せばもっと売れる」。迷い無く話す孫にヘッセも賭けた。スプリントの業績悪化の要因の1つがiPhone。iPhone販売で先行したベライゾン・ワイヤレスとAT&Tの米2強に顧客が流出。スプリントの業績悪化の一因はiPhoneの販売が遅れ、顧客が流出したことのようですね。スプリントの顧客流出の理由の一つは、NTTドコモと同じような理由ですね。
スプリントのiPhone販売が好調
昨年秋にようやくアップルからiPhone販売の権利を得たが、4年間で3050万台の大量買い取りが条件だった。1年以上、静かに様子を見てきた孫。スプリントは1年で市場予想を上回る600万台のiPhoneを販売した。「これなら行ける」。iPhone販売のノウハウを知る孫は勝機を見る。アップルがスプリントに提示したiPhone買取の条件は、1台5万円と仮定すると1兆5000億円の金額になります。スプリントの販売台数が市場予測を上回ったという事は、販売失敗リスクは低いと判断したのでしょう。
ソフトバンクはiPhoneなど端末を割賦販売した債権を、証券化して現金化しています。この点は機会があればまとめますが、割賦販売の数量が増加しても、現金化を行う手法はあります。
ユニクロ柳井正社長が、ボーダフォン買収に続いて後押し
「むしろ買わないリスクを考えるべきだ」。孫の決意を後押ししたのは社外取締役でファーストリテイリング会長兼社長の柳井正(63)。
投資案件の多くに反対する柳井だが8月の臨時取締役会では孫の支援に回った。「一番じゃなければダメだ」。負けず嫌いで知られる柳井と孫は同じ言葉を口にする。
売上高で一気に世界3位の携帯電話会社に浮上するチャンスをふいにするほうをリスクと感じたようだ。ソフトバンクのスプリント買収は、社外取締役の柳井正社長が後押ししているようです。有名な話ですが、ソフトバンクのボーダフォンジャパン買収の際も柳井正社長は、賛成しています。
カリスマ社長に意見を言える人は、あまりいないと言われています。ソフトバンクとユニクロの二人は、お互いの会社に社外取締役としている事でよい影響があるのかもしれません。
社外取締役が、意味のない上場企業は多いですが、かなり興味深い事例ですね。孫正義 お金とジョブズ(3)に続く。 スポンサードリンク
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